「っく! 足場の悪いこんな所で」
「根暗ッタ、いい加減にして!」
「いや! ママの仇!」
アリエッタの声と同時に、猛獣たちが一斉に走り出す。
まだ体勢の整っていない中、
「させませんわ! ピアシスライン!」
「きゃあっ!」
「ちっ!」
「おっと、よそ見してたら危ない、ぜっ!」
ナタリアの弓が的確に敵の足止めをする。
それが、仲間内で一番の俊敏さを誇るガイにとっては十分な時間だった。
踏み込み、一閃。
「虎牙破斬!!」
その切り込みの狙いは確実。
だが、敵の内にも俊敏さを誇る人物が居た。
烈風のシンク。
寸前の所で回避し、カウンター。
「ふんっ! 行くよ、臥龍空破!!」
「うおっ!」
読んでいたのか、勘なのか。
ガイはこれも脅威のスピードで回避・防御をした。
一瞬の攻防。
「ちっ、全部防いだか。なら、これで!」
シンクが次の攻撃に移ろうとした瞬間、
「何だ?!」
「ガイ! 足元よ!!」
「崩れ」
気づくのが遅かった。
ティアとルークの叫びも、間に合わず。
『うわぁぁぁーーー!』
ガイとシンク、二人を巻き込んで足場は崩れ去ってしまった。
残された者はただ呆然とその爪あとを見つめ、
「ジェイド、ガイが!」
「…ガイの身軽さに、かけるしかありませんね」
無事を祈るしか出来なかった。
※プロットを立てて書いてはみたが、結局自分で没にした一品です。