夢中になるのもご用心


「おーい、ガーイ」
「……」

聞こえないのか?

「おーい、ガーイ! 聞いてるかー?」
「……」

聞いてねぇのかよ!
ったく。

「おーい、ガーイ!! 聞けっつーの!」
「……」

無視かよ?!
っつーか、マジで聞こえないのか?
どーすっかなぁ。

「ガーイ、俺が見えてっかー?」
「……」

見えてもいないのかよ!
何か、それはそれで虚しいっつーか。
悪戯とかしても気づかないんじゃねーか?

「ガーイv」
「……ん?」

お、反応あった。
もうちょっとか?

「んぅ…」

気づいたか?

「ガイ、飯だって」
「……」

って、全然かよ!
ちくしょー。
この音機関が悪いんだっつーの!

「……ルーク、お前いつの間に?」
「さっきから呼んでるっつーの!」
「悪い、全然気づかなかった」
「ったく」

最初っから音機関奪っとけば良かったな。
でもまぁ……。

「で、何だ?」
「何だって…飯! もう冷めちまってるぞ」
「悪かったって。これ片付けたらすぐ行く」
「早く来いよな」

ガイの唇って、結構柔らけーのな。
ちょっと得したことだし。
うん、いいことにするか。




「だー、ビックリした」

まさかルークがあ、あんなことをするなんてさ。
誰が思うか?

「だ、大丈夫だよな?」

俺の顔、赤くなってないよな? ルークは気づいてなかったからいいが…。

「はぁ…ジェイド辺りがからかいそうだな」

俺、暫くはまともにルークの顔見れないかもな。

「どーしてくれんだ?」

はぁ…。
明日から音機関組み立て、やめよう。
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